愛らしいオールド・ジャパン陶磁器の魅力

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オールド・ジャパン 陶磁器

 

こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。
 
どこか素朴で親しみが湧くような動物や人形たち。思わずくすっと笑ってしまう愛嬌のあるこれらの陶磁器はすべて日本製。
長い旅路の果てに再びゆかりあるふるさとへと戻ってきた歴史ある品々なのです。
本日は、オールド・ジャパンの名で呼ばれる彼らの魅力をご紹介しましょう。

 

激動の幕末を経て誕生した明治時代。
長い鎖国が解けて、次々と流入する西洋文明を目のあたりにした日本人は、貪欲に新しい文化を吸収する反面、自国のアイデンティティを守るために奔走しました。
 
その先駆的存在として知られるのが、オールドノリタケ(詳しくはこちら)です。
当時、大量の輸入により流出した邦貨を取り戻すべく、日本製の陶磁器を輸出。欧米でのジャポニスムブームにも助けられ、事業は軌道に乗り、ノリタケ以外にも田代商店、佐治陶器、松風、井村、錦光山など大小のメーカーや問屋が登場しました。
 
大きな陶磁器会社は独自の窯印をカップや皿の裏に押印(参照:右画像)していましたが、それに対し、小さな下請け会社などが手がけたものには単に「JAPAN」や「MADE IN JAPAN」の印が押されました。
やがて、そうした詳細の不明なメーカー・問屋により輸出されたものは総称して「オールド・ジャパン」と呼ばれるようになります。
松風のカップ&ソーサー
松風のカップ&ソーサー

マイセンやセーブルなどの高級陶磁器窯と引けを取らぬほど美しく、高度な技術で生まれた名品ももちろん数多くありますが、

今回ご紹介する「オールド・ジャパン」製品の特徴は、ちょっとつたなさの残る絵付けや成型。

でも、そここそに作り手の気持ちが伝わるような温もりがあるのです。

当店でも愛らしいオールド・ジャパンの作品を数多くお取り扱いしております。(↓)

 


 

こうした手作り感溢れる日本製の古い陶磁器の中でも、

特に世界中でファンやコレクターが多いのが、「オキュパイド・ジャパン」と呼ばれる製品たち。

オキュパイド=Occupied(占領された)、ジャパン=Japan(日本)、

つまり第二次世界大戦で敗戦し、アメリカをはじめとする連合軍の占領下に置かれた日本が、

GHQの監視下で民間貿易を開始した1947年からサンフランシスコ講和条約が締結される1952年まで

わずか5年間に制作し、主にアメリカに輸出された品々のこと。

この期間の輸出品には「Made in Occupied Japan」の刻印が義務付けられており、

製品の種類は陶磁器のみならず装飾品や衣類、カメラ、ミシン、玩具、日用品など多種多様。

特に塩コショウ入れは人気が高く、イースターやクリスマスなど季節のイベントごとに変え、欧米の食卓を楽しませていたんだとか。

 

 

 

 

ところで、このオキュパイド・ジャパン。
「占領されていた時代の日本人が他国の統制下で作った輸出品」
とだけ聞くとネガティブなイメージばかりが先行してしまいそうですが、どうもそうではなかったようです。
 
もちろん、多くの命が失われた戦争、そして敗戦という事実は決して明るいものではありません。
しかし、この「オキュパイド・ジャパン」は、製造業や貿易業に従事する人々が、誇りをもって戦後の地場産業や日本経済の復興に挑戦・貢献しようと努力した前向きなエネルギーの賜物なのです。

 

当時の写真
当時の写真

 

 

 

その多くが、今も海外のコレクターに蒐集され愛されているオキュパイド・ジャパン製品ですが、現在、三軒茶屋キャロットタワーの生活工房ギャラリーでは
里帰り品約200点を展示した稀少な展覧会を開催中です。
 
生活工房ギャラリー
「海を渡った陶磁器展 Made in Occupied Japan 1947-1952」
 
日本では今だなかなか見る機会の少ないオキュパイド・ジャパン。
日本人がモノづくりの精神を紡いだ大切な財産として、次の世代へと伝えていきたいですね。


(R・K)

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アトリエ・ブランカでは、軽井沢・吉祥寺の直営ギャラリーにて、

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