ルネ・ラリック香水瓶「dans la nuit」のご紹介

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(ポーラ美術館HPより)
(ポーラ美術館HPより)
こんにちは。
ブログをお読みいただきありがとうございます。
 
早いものでもう4月はすぐそこ。桜が咲き乱れ、生命の息吹を感じる春は街中に色々な香りが登場する季節ですね。
当店でもちょうど昨年4月に「アール・ヌーヴォーの香水瓶展」を開催いたしました。
 
さて、香水が現在のように一般の人々の生活に広がりだしたのはちょうど100年前ごろ。
それまでは、貴重な香料を元に特権階級だけが身にまとえる贅沢品でした。
今月のブログでご紹介したファッションの歴史と同じように、(詳しくはこちら
20世紀初頭にファッション・デザイナーが市井の流行文化を生み出す時代が始まると、香水もそれに続きます。
 
1907年。
香水商のフランソワ・コティは、ファッション性の高い洒落た香水瓶を作るべくガラス工芸家のルネ・ラリックに依頼。
以降、ラリックの他ドーム兄弟やバカラなどがプロデュースする芸術性の高い香水瓶が続々誕生しました。

 

 

 

 

 

本日ご紹介する作品は、ルネ・ラリックが手がけた香水瓶の中でも

特に人気が高い名作「dans la nuit (=夜に)」。

月明かりの浮かび上がるようなシックなデザインが印象的ですね。


 

 

 

本作の依頼主は、高級ファッションメーカーのウォルト(Worth)社。

ウォルト社は元々、シャルル・フレデリック・ウォルトが1858年に創設したオートクチュールメゾン。

1895年に創業者がなくなると、彼の後を継いだ二人の息子は香水事業を主力に手がける決心をしました。

「dans la nuit」は、息子の代になったWorth社がデビュー作として1924年に発表した記念碑的香水です。

父シャルル・フレデリック・ウォルトが手がけたドレス
父シャルル・フレデリック・ウォルトが手がけたドレス

息子ジャン・フィリップ・ガストン
息子ジャン・フィリップ・ガストン
息子ガストン・ウォルト
息子ガストン・ウォルト

 

当時著名な調香師の一人であったモーリス・ブランシェはこの特別な香水のために、
花の甘い香りをベースに黒スグリやアイリス、ジャスミン、バラ、月下香、さらにムスクなどをふんだんに使った香りを調合しました。
多くのパリジャンヌがこの麗しい香りの香水をまとって華やかな夜の街に出かけたことでしょう。
 
「dans la nuit」のボトルは、一切の装飾を配したミニマリスティックなデザインながらも唯一無二の個性が光ります。
翌年1925年に開催された現代装飾美術・産業美術国際博覧会(=通称:アール・デコ博)に出品され、芸術的評価も非常に高かったそうです。(下:当時の広告)

 

ところで、タイトルが「夜」ではなく、「夜に」なのが気になりませんか?
まるで言いかけた言葉の先があるような・・・
 
それもそのはず。ここにはワース社によるちょっと小粋な仕掛けが隠されていたのです。
「dans la nuit」のあとには、10年にわたり計5作の香水が発表され、いずれもラリックがボトルデザインを担当しました。
その5作にはそれぞれ、 
「dans la nuit」(=夜に、1924年発表)
「vers le jour」(=夜明けに、1925年発表)
「sans Adieu」(=さよならは言わない、1929年発表)
「je Reviens」(=私は戻ります、1932年発表)
「vers Toi」(=あなたのもとに、1934年発表)
 
という名がつけられ、5作をつなげると、
「夜に、夜明けに、さよならは言いません。私はあなたのもとに戻ってきますから」
といった意味の素敵な詩が現れました。
 
ちなみに、1932年に発表された4作目「Je Reviens (I will return=私は戻ります)」は、
第二次世界大戦従軍後、フランスから帰還するアメリカ兵の土産として人気だったとか。
「dans la nuit」。
完璧な曲線美を描くボトルと、幻想的な香り。
そして、詩的なネーミングとがあいまった魅惑の世界をお楽しみください。
ラリック 香水瓶 dans la nuit  販売 ワース社 worth
当店でお取扱の「dans la nuit」

(R・K)

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