挿画本とは


挿画本(そうがぼん)とは、芸術的なオリジナル挿画(版画)入りの本のことで、挿絵本(さしえぼん)とも呼ばれます。挿画本の歴史は古く、紀元前16~14世紀頃の古代エジプト時代にパピルスに記された「死者の書」まで遡り、主にキリスト教やイスラム教の聖典や医学書、植物辞典などが手作業で著されました。 しかし、19世紀後半に入ると印刷技術が飛躍的に進歩し、機械による挿画の大量複製が可能になります。このような安易な複製挿画に反するように、芸術的なオリジナル挿画に対する要求が高まっていき、この時期に、パントゥル・グラヴール(画家にして版画家)たちの版画や版画集のほか、画商アンブロワーズ・ヴォラールによる数々の巨匠作家の版画挿画本が刊行されます。テリアドとカーンワイラーによる美術誌『ヴェルヴ』もこの頃発刊されました。以後、近代絵画の巨匠たち、シャガール、ピカソ、マティスらを筆頭に挿画本としてのテキスト(物語や詩)から独立し、作品自体の芸術性を更に求めるようになり、サインと限定番号入りの版画作品を制作するようになっていきました。